TOP > 離婚とお金の問題 > 離婚の際のマイナス財産?
財産分与の項目で記載したように、法定財産制では一世帯の財産を共有財産と特有財産に区別しますが、夫婦いずれの所有に属するかはっきりしない財産については共有財産とみなします。さらに法定財産制には次のような決まりがあります。
- 1. 結婚生活に必要な諸経費
- 家賃、住宅ローン、税金、公共料金、食費、衣料品代、医療費、交通費、教育費、雑費、家具・電化製品購入費、旅行などのレジャー費用などは、夫婦がそれぞれの収入や資力に応じて分担する。
- 2. 日常家事債務
- 家族の日常生活に必要な費用に関わる債務=「代金の支払い義務」については、夫婦が連帯して責任を負う。
つまり、共同生活を行うにあたって必要とされる経費のことで、支払が残っているものについてはお互いが分割して支払わなければならないということです。
■全ての借金・支払いが対象?
配偶者の借金が全て対象になるかというと、もちろんそうではありません。例えば、収入や生活レベルとのバランスが取れない分不相応な買い物や浪費、ギャンブルのための借金といったものについては、原則として連帯責任を負わなくてもよいことになっています。
例えば、妻が夫の同意無しに勝手に高価なブランド物のバッグや洋服、宝石やアクセサリーを購入したり、高級エステに通いつめたり、通信販売で必要の無いものを次々と購入した場合や、夫が高級外車や高価なゴルフセットを購入したり、ギャンブルをするために消費者金融から借りた借金などは、日常家事債務には該当せず、たとえ夫婦であっても互いに債務を負担する必要はありません。
ただ、注意しなければならないのは連帯保証や根保証です。これらのクレジットや借金に対し、連帯保証人になっていた場合には夫婦であるかを問わず弁済する義務が発生してしまいます。
逆に連帯保証人になっていないにも関わらず、配偶者のクレジットや借金のために、貸主側があなたに執拗な取り立てをしてきたら、警察や監督官庁(クレジット会社は経済産業省、消費者金融は金融庁)に刑事告訴や行政処分の申立てをしたり、消費生活センターや弁護士などの専門家に相談し、解決していくことが可能です。