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離婚が子供に与える影響

離婚カウンセラーなどに相談した結果「子供はすぐに親の離婚に順応するよ!」とアドバイスを受けて、安易に離婚を決定する人も多いようです。しかし、最近の調査によると必ずしもそうとは言えず、むしろ離婚によって子供が受けるダメージは大きく、長期にわたることが分かっています。両親の離婚に関しては、子供は被害者です。離婚をされる両親は、極力離婚の悪影響を子供に与えないようにすることを考えなければならないと思います。

■離婚が与える子どもへのストレス

1) 子どもがよく知っていた家庭が、別のものに変わること
離婚によって育児の責任について、変化が起こります。子どもは、新しいスケジュール、家庭での新しい仕事、食事時間、就寝時間などの日課に、順応することが必要になります。また、友人や、祖父母など家族のメンバーとの接点を失ってしまいます。
2) 愛着を失う
子どもは成長の中で、両親、兄弟、姉妹、ペット等様々な愛着を育てていきます。両親の離婚によって愛着の変化があると、子どもに苦しみが生じることがあり得ます。違う寝室で寝ることや、自分が親しんできた所有物と離れることもストレスになります。
3) 放棄される恐怖
子供は、片親を失ったのであれば、もう一方の親をも失うかもしれないという恐怖を感じます。
4) 親達の間の敵意
両親の論争と緊張は、子どもを後ろめたい気分にさせ、怒りや孤独を感じさせます。子どもを味方に付けようとすることや、他方の親へ反抗させることは、子どもに混乱を生じさせ、子どもを大人の戦いの中に置くことになります。

■子供の成長への影響

離婚が子どもの成育にマイナスの影響を及ぼす要因として次の5つが考えられます。

  • 非同居親と子どもとの親子関係が壊れること
  • 子どもの経済状況が悪化すること
  • 母親の労働時間が増えること
  • 両親の間で争いが続くこと
  • 単独の養育にストレスがかかること

また、米国価値研究所Institute for American Valuesでは以下のような調査結果も出ています。

  • 離婚や未婚、再婚した家族で育った娘が未婚の母になる率は3倍に達する。
  • 親が離婚した子供は両親がそろった家庭に育った子供と比べて社会人になったとき、
    失業率や経済的な困窮が増加している。
  • 母子または父子家庭で育った子供は、結婚している実の両親の家庭に育った子供に
    比べて2倍の確率で30代初めまでに実刑を受けているが挙げられる。

■悪影響を少なくする対策

日本も批准した子どもの権利条約では、その対策として次のことをを求めています。

  • 子供の処遇を決めるに際しては、年齢に応じて子供の意見を聞くこと
  • 別居が始まれば両親との接触を維持すること

子どもの健全な発育には、母親・父親両方がそれぞれに果たす役割が大きいということです。2010年3月9日の衆議院法務委員会で、千葉景子前法務大臣は「離婚したあとも、両親がともに子どもの親権を持つことを認める『共同親権』を民法の中で規定できないかどうか、政務3役で議論し、必要であれば法制審議会に諮問することも考えている」と述べています。また、民主党や自民党などの超党派議員では、離婚後の子どもとの面会を保証する法案を提出する準備も進めているようです。

面接交渉権についての項目でも触れていますが、子供のために、離婚相手と子供が会う時は、嫌な顔をせず子供を気持ちよく送り出してあげてください。面接が終わった後にもその時のことを根掘り葉掘り聞かないであげてください。もし、子供から面接時のことを楽しそうに話してきた場合は、たとえ嫌でも一所懸命聞いてあげることが子供の教育上大切ではないでしょうか。